ニューヨークの地下鉄で 〜「大切なことを五感で味わう」(前編)〜

am3こんにちは、AI-am(アイアム)の吉田 晃子です。

2009年に行ったニューヨーク。そのときの地下鉄のはなし(前編)。

切符を買う

日本でだったらどーってことのない行為が、初めて訪れる国では一大イベントになったりします。

なかでも、電車に乗るために切符を買うっていうのは最たるもの。

日本語しか話せないわたしたち( 吉田 晃子 星山 海琳 )にいたっては、とりわけ大変。

 

窓口で買うときは、時間をかけて調べた一文、「行き先、人数などを現地語で書いたメモ」を見せます。

券売機で買うときは、英語で書かれた画面(どの国にも「英語」の選択はある)を前に、頭をフル回転させながら、もにょもにょしながら買ってます。

 

見る。知る。わかる。

ところがニューヨークに行ったとき(2009年)のことです。

ニューヨークに着いて、はじめて切符を買おうとした駅には券売機が2台設置されていたんですね。

しかし両方ともにたくさんの人が並んでいて、次々と人もやってきます。もにょもにょはしづらい。
[voice icon=”https://ai-am.net/wp-content/uploads/2017/08/p-akikoic.png” name=”よっぴー” type=”l”]どうする〜?[/voice]

[voice icon=”https://ai-am.net/wp-content/uploads/2017/08/p-marinic.png” name=”まりん” type=”r”]どうしよか〜?[/voice]

 

ふたりは考え、いろんな案を出し合います。

結果、(今たまたま多いだけかもしれないので)人が少なくなるまで、もう少し待ってみよう、となりました。

 

1分が経ち、、、

2分が経ち、、、

10分ほど経っても人の多さはさほど変わらなかったので、また話し合います。

 

次の解決案は、やり方を見よう! ということになりました。

早速ふたりで、先頭の人が買っている手先が見える位置を探します。

しかしこの解決案もアウト。

どこをどうタッチしていくのか、手先を見るには覗き込まないといけなく、それってもはや不審者です。

 

ロンドン地下鉄の切符売り場のように、案内係りの方がいるところでは係りの方が親切に声をかけてくれたりするんですが、英語が話せない、聞き取れないわたしたちは、心のなかで「声かけるなよ〜!」って祈ってます(笑)。

実のところ、英語ができないから、英語ができないことをたのしみながら、自分たちのペースで、自分たちで悪戦苦闘しながら買いたいんです

 

笑われて恥をかこう。 失敗して迷惑をかけよう。

またどうするか考えます。

 

並ぼう!!」ってなりました。

笑われて、迷惑かけて、切符を買うぞ!

 

あと3人目ってなったとき、前に並ぶ人たちの合間から、券売機のタッチ画面が見えました。

2人目になり、さらに見えます。

「unlimited ride」の意味を大急ぎで調べたり(当時はまだスマホはなかった)。

 

順番がきて、当時13歳だった海琳さんが、ピッ、ピッ、ピッ、と画面を操作して、、、

無事に買えたー。

 

こういう小さなことが、大きなよろこびとなって、より強くふたりをつないでくれます。

 

スクリーンショット(2017-08-12 22.29.43)
出典: BASIK NEW YORK

 

私だけ改札に入れない

メトロカード(切符)はゲットできました。

次なる難関は改札の入り方です。

観察がまた始まります。

 

ふむふむ。

あそこにあ〜やって差してスライドさせるんだな。みんな、向きは自分のほうにしてるぞ。

なるほど! わかったー。

スクリーンショット(2017-08-12 20.01.32)
出典: BASIK NEW YORK

 

海琳さんが先に行きます。

よし! いけた!!

 

すぐあとをわたしも行きます。

 

あれ?

ドアのロックが外れない。

 

もう一度、シュッ。

あれ?

 

もう一度、シュッ。

なんでだーーー?

 

海琳さんが『 地球の歩き方 ニューヨーク 』に書いてあった「18分」という文字を思い出します。

「ちがうかもしれへんけど、18分待ってみよ。で、もう一回トライしてみよ」

 

※ 『 地球の歩き方 』を持っていくのを忘れました。
で、帰国後調べてわかったことは、メトロカードの乗り放題カードは家族・友人間での使い回し防止のため、1度改札を通ると同一の地下鉄駅では18分経過しないと利用できません。海琳さんの記憶にあった「18分」はこのことでした。
ちなみにメトロカードのスライドは結構コツが必要で、うまく通らないことがよくあるそうです。
うまくスライドできないと、SWIPE AGAIN(もう一回)、TOO FAST(早すぎ)のようなエラーが出るのですが、わたしはこれに気付いてなかっただけで、「GO」になるまでスライドすればよかったみたいです。

 

「わかった。そうする」

 

たったいま、より強くつながったふたりだったのにね、もう引き裂かれちゃいました(笑)。

スクリーンショット(2017-08-12 20.26.43)
出典: BASIK NEW YORK

 

改札口は ↓↓ このタイプもあります。
スクリーンショット(2017-08-13 9.37.25)
出典: NEW YORK

 

「楽さ」とともに

18分が過ぎました。

緊張の瞬間です。

早すぎても遅すぎてもダメで、気持ちを込めて、祈りを込めて、優しくスライドさせます。

 

ビッ!

改札が開いた。

 

[voice icon=”https://ai-am.net/wp-content/uploads/2017/08/p-akikoic.png” name=”よっぴー” type=”l”]やったーーーーー!!!![/voice]

[voice icon=”https://ai-am.net/wp-content/uploads/2017/08/p-marinic.png” name=”まりん” type=”r”]やったーーーーー!!!!![/voice]

 

改札に入れたことをこんなによろこんだのも、

よろこんでくれたのも、

よろこび合えたのも、はじめてじゃないかな。

 

傲慢予防策

「切符を買って改札に入る」、たったこれだけのことに、おおかた1時間ほどかかりました。

 

海外に来て、こういった経験(他にもたくさんある)をしたり、日本とはちがう物(信号機とか)を見て感動するとき、「子どもってこういうことなのかな」って振り返り、想像しています。

 

なにやってんの! とか、

なんでこんな簡単なことができないの! とか、

もう! いつまでかかってるの! ちょっと貸してみなさい! とか、

もう、ほっていくよ! とかとか、、、

 

このような言葉掛けをわたしがしてこなかったのは、自分が言われたらイヤだったから。

だけど海外でのこういった経験は、 子どもに言ってはいけない言葉 がどれほど罪なものか、リアルに肌が教えてくれます。

子どもに還らせてくれます。

 

日ごろの暮らしのなかで忘れたくない大切なことを、五感で味わえる。

これだから旅はおもしろい。

 

☆ 後編、  ニューヨークの地下鉄で/「現在」がある車内  につづく。

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