こどもを「信じる」や「尊重する」が見せかけだけのものにならないためには in津市・講演会レポート

2023年10月1日、三重県津市で、講演会が開催されました。
講演では、

・一条校以外の選択肢と将来について
・「不登校」と親の不安について
・多様な学びについて

のおはなしと、参加者の方々からのご質問にこたえさせていただきました。この記事はそのレポートです。

お越しくださったみなさん、ありがとうございました。
主催してくださった米澤綾子さん、ありがとうございました。
スタッフのみなさん、ありがとうございました。

「聞きたいんだったら自分でやればいいんだ」主催者・米澤綾子さん

今回、講演のご依頼をくださった米澤綾子さん。
はじめていただいた綾子さんのメールは、その文面はパァ〜ッと目の前を明るくする躍動感にあふれていて、若く力つよい情熱は、わたしたちをも弾ませてくれました。

綾子さんの声がきこえてくるんです、その文面から。
(わたしたちの話しを)「聞きたいんだったら自分でやればいいんだ」と。


わが子が一条校が合わなくてフリースクールや居場所をつくった、といういきさつをお持ちの保護者の方がたくさんいらっしゃいます。
綾子さんもまた、わたしたち(吉田晃子・星山海琳)の共著『不登校になって伸びた7つの能力』を読んでくださり、、衝撃を受け、、それらがきっかけとなって、フリースクールをつくられたそうです。

で、いつか……絶対にわたしたちの話を聞いてみたいと思い続けてくれていたところ、「不登校」をテーマにしたある講演を拝聴されて、これまたそれがきっかけで、その日のうちに講演を依頼してくださったのでした。
わたしたちの話が聞きたい! だったら自分が主催すればいいだけ! 主催するのは今回がはじめて。それでも、そんなのおかまいなく!


「やりたいから、やる」。
綾子さんはそれらを現実の世界で成されていく……。そんなね、行動力や実行力に満ちあふれた、いきいきと活動される魅力たっぷりの綾子さん。

そばにいるとね、こっちまでほんと明るくなるの。笑顔が夏なの♡

「こどもを信じる」って? 「尊重する」って?

まずは自己紹介がてらに、小さな天才の育て方・育ち方』の《はじめに》と、不登校になって伸びた7つの能力』の《はじめに》から、一部抜粋してお話しました。

(こどもが)自分がいちばん選びたいものを選べる」。
そのためには、「親と子の関係性が大切であり、親はこどもを100%信じ、尊重し、ただ一人の人間としてこども自身を愛する」。

と、あるけれど、

”こどもを100%信じる” とは、いったいどういうこと?
“尊重する” とはどういうこと? そのためには何が必要?
“ただ一人の人間としてこども自身を愛する” も、つまりはどういうこと? 親は何をすべきなの?


こどもを信じるんだって。。。
こどもを尊重しなくちゃいけないんだって。。。
そういったことを知ってはいても、いざ、こどもを「信じる」や「尊重する」には?
「信じる」や「尊重」が見せかけだけのものにならないためには、親である自分の内に何を得て、何を整えなきゃいけないのか……。

わかるようでわからないこれらを、親が「教えたいこと」と、こどもが関心を持って「学んでいること」のズレを確認しながら考えていきました。

一条校以外の選択肢と将来について

続けて、一条校以外の選択肢と将来について。
まずは「不登校」を(前提として綺麗に分けられるものではないんだけれども、ひとまず大きく)3つにわけていきます。

①「学校に行きたいけれど、学校に行けない」不登校
②「学校に行きたくないから行かない・行っていない」不登校
③「本当は学校に行きたいのか行きたくないのかが自分でわかる以前に、行かないといけないと思っているから “行けない”」不登校

※ 以前、記事でも『「不登校」を3つにわけて考える』を書いていますので参考にしてみてください。


わたしたちが出会ってきた事例の体験から、一番多いんじゃないかなと思うのが3つめ。ここには不安から生じた親の圧力が影響しています。

「不登校」に苦しむなかで親は大切なこどもの機嫌をとりますが、こどももまた親の機嫌をとろうとします。こどもにとっても、親は大切な存在だから。
では、親と子の違いは何か? ……そんな話をふまえて、一条校以外の選択肢や、一条校に通わないこどもはどこで何をするのか?、将来に関していま肝心なことは何か、などをお話ししました。

「不登校」と親の不安について

次に、「不登校」と親の不安について。

「不登校」にもある程度の段階があります。
「不登校」初期、学校は行くもの、と無意識なまでにおもっていた親にとっては、わが子が学校に行かなくなるというのは、そりゃあ「えっ?」ってなることです。あわわ〜ってなっちゃいます。

どういうことか、どうしていいのか、どうしたらよいのかさっぱりわからず、得体の知れない恐怖に怯えるのだけど、このときの不安というのは、そのだれもが自分自身で認識できている不安です。

やがて各ご家庭にいろんなことがあって、混乱や波乱を経験していくうちに、教育と国家の関係性にも意識が向くようになり、計画や制度を基にした学校教育とは別の、計画や制度ではない「この子(わが子)」を基にした多様な教育の意義を知っていく、というケースは昨今とても多くなりました。

ただ、この段階に至ったあと、「学校にはほんとに行かなくてもいい」と思っている(と思っている)状態のときに持っている不安、こちらはなかなか気づきづらいんですよね。


まずはそれに気づいたほうがいいこと(自分だけの問題ではなく、こどもが絡んでいて、親自身が認識できていない不安で知らず知らずこどもを囲ってしまうから)、

だけどもその不安に気づくってのは、たいそう難しいこと、

だったら、なぜ、なかなか気づけないのか、と考えてみること(正当化しているから。不安だから正当化して、正当化しちゃったから蓋をして不安がみえなくなる)、

じゃあ、どうやって正当化をやめるのか、せめてそこに気づくのか? ということ、

そこをクリアにして、こども自身が秋晴れのように成す《自分がいちばん選びたいものを選べる・選ぶ》こと。

こどもが不登校をしている「不安」をどう直視するか。
また、こどもを尊重することと、自他を区別することの重要さをお話ししました。

そして、不安ゆえに、「多様な学び」というものを世間などに認めてもらいたがっている自分がいないかどうか、は大事なポイントです。
なにより、親(大人)の不安に目の前のこどもを巻き込まないために。

この「多様な学び」については、こちらの記事 ➡︎ 『「多様な学び」は本当に学びの多様を養えるか?』でまとめています。

質疑応答

よっぴーまりんのお話会は、いつでも、ご参加くださったみなさんからのご質問が主役です!

今回、津市でも時間をたっぷりとって、たくさんのご質問をいただきました。

・大学に行こうとおもったきっかけは何でしたか?
・お兄さんはどう過ごされていたんですか?
・こどもの興味に寄り添うには?
・やりたいことや目標がないこどもにどう接すればよいの?
・社会性はどうやって身につけるのか?
・親がもつ不安をこどもに感じさせないためにはどうすればよいの?
・正当化している不安ってどのようなものですか?
・今の考え方のベースはいつからあるのですか?
・父親(夫)の反応やこどもたちとの向き合い方はどんなでしたか?
・そのほか、ゲームは? 勉強方法は? 学校との付き合い方は?
などなど……

などなど、たくさんのご質問に答えさせていただきました。みなさん、ありがとうございました!

さいごに

お越しくださったみなさん、ありがとうございました!
スタッフのみなさん、ありがとうございました!
主催してくださった米澤綾子さん、ありがとうございました!

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