「オヤトコ発信所」は、学校に行かないことを選択し、小・中・高に通わず大学へ行った星山海琳(まりん)と、その母親である吉田晃子(よっぴー)= AI-amが運営するサイトです。
AI-amは、親と子がヨコの関係であることを願っています。
ヨコの関係とは、支配と服従のタテの関係ではない、自律した人どうしの関係であることです。
「友だちのように仲良く、秘密もなく美しい家族でいましょう」というのではありません。
「子どものために親は自分を押し殺しましょう」「子どもを一人前扱いしましょう」「親も子どものようになりましょう」、そのいずれでもありません。
子どもは親に育てられるもの? いいえ。子どもは、わたしたちも含め人は誰でも、自分で育っていきます。
別の言い方をすれば、家族を含めあらゆる他者、場所、景色、本や映画や音楽…、すべてがわたしたちを育てます。
だからこそ、保護者でもあり、より近くで多くの時間を過ごし、ひとつの家を共有することになる親の影響は、はかりしれません。
親と子どもは特殊な関係です。とても近くて、赤の他人です。
こどもがばかにされない世の中であること、家庭が民主的であること、親と子がヨコの関係であることを願って、AI-amはふたりで発信を続けています。
どんな親子?
星山海琳(まりん)は、6歳のとき小学校へ通うのをやめて、デモクラティックスクール(サドベリースクール) で過ごしました。
小学校に入学してすぐ、学校教育に対していろんな疑問がわいてきたからです。
それからは小・中・高へ通わず、科目勉強も一切していませんでしたが、17歳の夏、大学へ行くことを思い立ちました。
勉強もしたことがない、高校にも行っていない。
そのため冬の高校卒業程度認定試験(高認・旧大検)を受け、2ヶ月半の勉強期間で小学校1年生レベルから全8教科に合格し、翌春大学へ現役入学しました。
これは「成功」なんかではありません。大学に行くことが、学校の勉強をすることが「すごいこと」なのでもありません。
大切なのは、自分の経歴や環境などおかまいなしに、やりたいと思ったことをやる力。
それが未知のことでも、困難なことでも、欲求ひとつで、のめり込んでいく力。
子どもは本来、それらの力を持っています。それをいかに奪わずに、どう育んでいくのか?
星山の母親である吉田晃子(よっぴー)は、子どもとどう接してきたのか?
わたしたちが考えているのは「どうすれば◯◯な子が育つか」ではなくて、親と子のありかた、ただそれだけです。
不登校について
まりんは一条校(*学校教育法第一条で定められた学校・みんなが知っている一般的な学校)を「不登校」したこどもの一人であったり、よっぴーはその親であったりしましたが、「不登校」なんて意識もまるでないまま、ただただ好きな学校で過ごして、楽しくやってきました。今日も最高に楽しいです。
わたしたちにとって「不登校」は「学校に行かない」、ただそれだけのことです。
人は当たり前に多様なのに、学校はひとつで、しかも画一を重視するようにできているとくれば、今の学校が合わないこどもがいるのは当然です。
家、食事、ファッション、仕事、あらゆるものを幅広く選べるようになった世の中で、学校は今も変化を拒んでいます。
こどもの大きさに合わせた服ではなく、服の大きさに合わせたこどもを求めるのは、あまりにも不自然なのに。
「不登校」の問題はありません。
あるのは、子どもに不適応な「学校問題」です。
学校問題によって学校へ行くことがかなわない子どもたちに必要なのは、不登校支援などではなくて、学校にある問題を取り除くこと、改善することです。
「不登校」はただの現象です。
「不登校」には良しも悪しも、幸いも災いも、優も劣もありません。
わたしたちは、誰かの「不登校」を解決しようなんて思いません。
そもそも、「不登校」に解決は不要です。
大丈夫とか、大丈夫じゃないという二択で考えるようなことでもありません。
また、誰かに介入する気はないし、介入させられる気もありません。
けれど、こどもの「不登校」は、どうしても親の価値観に左右される部分が大きいのも事実です。
だからこそわたしたちは種をまき、わたしたちの考えや経験、いま見えているものを発信しています。
AI-amのふたり
よっぴー(吉田 晃子)
1962年大阪生まれ。一男一女の母。口唇口蓋裂の先天性形態異常で生まれ、成人するまでに何度も手術、入退院をくり返す。第一子は先天性心臓疾患で、再三にわたり、生死の境をさまよう。
自らの障害、息子の障害、子どもの学校に行かない選択とその後の日々は、根本に立ちかえって物事のあり方を見直すことを教え、「デモクラティックスクールなわて」の立ち上げおよびスタッフ勤務を経て、コミュニティ「デモクラティックフィールドのらねこ」に携わる。
現在は「AI‐am」共同運営の星山(娘)とともに、ブログ「オヤトコ発信所」を中心に、オンラインスクールやお母さんの集うオンラインコミュニティ、講演、勉強会、講座などの活動を行う。
星山 海琳(まりん)
1996年大阪生まれ。小学校へ入学してすぐ、学校教育への数々の疑問がわき、学校への魅力を感じなくなる。
自分に合ったより魅力的な教育を探し「デモクラティックスクールなわて」で6歳から11歳を過ごす。
デモクラティックスクール(サドベリースクール)で過ごした日々から発想を受け、11歳のとき、コミュニティ「デモクラティックフィールドのらねこ」を創立。
17歳の夏、大学へ行くことを志し、高等学校卒業程度認定試験を受けることを決める。全8教科の勉強を小学校1年生のレベルからはじめ、九九や四則計算など小学校算数を約20時間、数学を約12時間で修了。ほか7教科とともに、約2か月半の期間で高認試験に合格。その後、大阪芸術大学へ現役入学。
よっぴー・まりんの共著
『小さな天才の育て方・育ち方-小・中・高に通わず大学へ行った話』(セルバ出版)
小中高に通わず、勉強も一切してこなかった17歳の子どもが、12年間かかるはずの8科目の勉強をたった2ヶ月半で終え、志望大学へ現役入学。
小学校の算数は20時間、中高の数学は12時間で終わる!
どうすればそんな子どもに育つのか? どう育ってきたのか? デモクラティックスクール(サドベリースクール)やオルタナティブ教育、不登校にも触れる。
親と子の間の愛情、信頼、尊重。親子で書き下ろす新しい教育書!
『不登校になって伸びた7つの能力』(廣済堂出版)
本でもありません。
学校に行く子と学校に行かない子、学力が伸びるのはどちらか?
思考力が伸びるのはどちらか?
実際に小学校1年生から学校に行かないことを選択し、 中学、高校も、魅力的ではないからと行かず、 その後2ヶ月半で12年間の勉強を終え大学へ行った娘が、 大人になりました。
そして彼女自身の子ども時代を振りかえったときに見えた、 不登校のおかげで脅かされずに育った能力について書いた本です。
デモクラティックスクール・サドベリースクールについて
アメリカ・マサチューセッツ州に、サドベリーバレー・スクール (公式サイト)という学校があります。
子どもたちが運営自治を行うこの学校には、テストがありません。
「読み」「書き」をはじめとする授業、カリキュラムもありません。
時間割もありません、通知表も、学年も、クラスも、チャイムもありません。
このサドベリーバレー・スクールをモデルにした教育を実践している学校は世界中にあり、 日本でも全国各地につくられています。
AI-am共同代表のふたりは、スタッフとして、メンバーとして、日本のデモクラティックスクール(サドベリースクール)で学び育ちました。