「ウサギとカメ」は世界各国によって内容も教訓も違う『昔話にはウラがある』(新潮社)より

am3こんにちは、

AI-am(アイアム)
吉田 晃子 です。

 

うさぎとかめ のおはなし、みなさんご存知ですよね。まじめに走ったカメが勝ち、怠けたウサギは負けてしまう。つまりは、まじめにこつこつと努力しなさい ってことを示唆している寓話ですが、ところかわれば…。

この 「兎と亀」、 各国によって内容も教訓も違うのご存知でしたか?

『 昔話にはウラがある 』よりご紹介します。

フランスの兎と亀

フランスでは、ウサギはカメを先に走らせておいて、ゴール近くで格好良く追い抜こうと考えていた。

けれどもスタートが遅すぎたので、カメを追い抜くことができずに、ウサギは敗れた。

 

[box class=”pink_box” title=”教訓”]もう少し早くスタートすればよかった[/box]

 

イランの兎と亀

イランのカメは、頭のいいカメ。

競走をはじめる前に、自分そっくりな弟がいるのでその弟を呼んできて、ゴールに立たせておいてから競走をした。

ウサギがどんなに速く走っても、カメには負けてしまうことに。

 

[box class=”pink_box” title=”教訓”]意味のない競争をするな[/box]

 

カメルーンの兎と亀

カメルーンのカメは、親類のカメたちを集めた。

走る道筋に一定の間隔で隠れていてくれと頼み、そして出走。

ウサギが途中で確かめるたびに必ず後ろにカメがいたので走りに走り、ついにゴール前で倒れて死んでしまい、カメの勝ち。

 

[box class=”pink_box” title=”教訓”]大切なものは、準備・知恵・連帯[/box]

 

インドの兎と亀

インドの話は、日本と同じで、ウサギは昼寝をしてカメに敗れる。

だけど悪いのはカメのほうで、「もしもしウサギさん、目を醒ましたらどうですか」と、なぜ一声かけなかったのか?

 

[box class=”pink_box” title=”教訓”]友情を大切にしなくてはならない[/box]

 

日本の兎と亀

日本は亀が好きですよね。

でも日本でうたわれている「兎と亀」も、 インドの教訓を知ってからじっくり読めば、狡猾な頭脳を持ったカメは悪(ワル)にみえてきます。

[aside type=”boader”]もしもし かめよ かめさんよ
せかいのうちに おまえほど
あゆみの のろい ものはない
どうして そんなに のろいのか」

「なんと おっしゃる うさぎさん
そんなら おまえと かけくらべ
むこうの 小山(こやま)の ふもとまで
どちらが さきに かけつくか」

「どんなに かめが いそいでも
どうせ ばんまで かかるだろう
ここらで ちょっと ひとねむり」
グーグーグーグー グーグーグー

「これは ねすぎた しくじった」
ピョンピョンピョンピョン
ピョンピョンピョン
「あんまり おそい うさぎさん
さっきの じまんは どうしたの」[/aside]

 

寓話って、刷り込みになってしまう節がありますよね。競争が当たり前で、競争に勝つことが成功? 「がんばれ、がんばれ」、「負けるな」、といった話を教え、競争を促すんですから!

競争意識が刷り込まれる前の日本人は、もっと大らかで、インドのように声をかけあって、幸福に過ごしていたかもしれないですね。

逝きし世の面影 のように ↓↓

[kanren postid=”7240″]

 

よっぴーの兎と亀(笑)

♪ もしもし かめよ かめさんよ の替え歌です。

おもっくそ字余りですが、きいてやってください。

[aside type=”boader”]「どうして そんなに のろいのか」って
「のろい」 ことを 問いにしているが
それって つまりは 「速い」ほうが
善いのだという妄信に 縛られていないか[/aside]

 

うさぎも、かめもいい。歩みなんて、自分のペースでいい。

今日の本

昔話にはウラがある/ひろ さちや

シンデレラ、浦島太郎、一寸法師など代表的東西のお話が20点ほどとりあげられていて、『アリとキリギリス』、『兎と亀』のほか数点を除いて、話が性的動機の視点で解釈されていて、エロくて実に面白い。
おとぎ話を「論理的に」突きつめていくと、隠されていた意外なテーマが続々と見えてくる。浦島太郎、白雪姫、赤ずきん等々を、宗教・哲学のウンチクと、時には「仏教哲学」まで動員してホンネを探った面白考察。

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