サドベリースクールを「つくっただけ」では、サドベリースクールにはならない

 

ammこんにちは、AI-am(アイアム)の星山まりんです。

自分の子どもの子育てには迷いがあったり、うまくできないと思っていたり、日々怒ったり苛だったりしている親御さんが、
「サドベリースクールをつくりたい」と言われるのはなぜなんだろう、と、ときどき考えます。

サドベリースクールは(今は)とても変わった学校

大人から指導や指図、規制されなくても、子どもは自分で学び、成長していく。
そして自分「たち」のことは、みんなで話し合う。

サドベリースクール(デモクラティックスクール)は、本質的な学校だとわたしは思いますが、いろいろなもので本質が覆われた今は、それが一般的でないことも確かです。

ほんとはなんにも変わったところなんてないけど、現代において変わった学校であることには違いない。

今は、誰でも簡単に馴染めるところではないということです。

こういう教育に惹かれることはあっても、それを完全に自分のからだに取り込むことはむずかしい。
「親」「大人」、あるいは「子ども」「こうあるべき」、という考えが染みついていると、なおさらです。

 

「子どものためにサドベリースクールをつくりたい」

サドベリースクールに見られるような、そんな人と人の関係を親子のあいだにも築きたいと思われる方が、わたしたちのまわりにも、とても多くなりました(サドベリースクールそのままを家庭でやることはむずかしくても、要素を持ち込むことは、もちろん可能です)。

同時に、「サドベリースクールをつくりたい」と言われる方も。

「子どもにサドベリースクールへ通ってほしい」(子どもが実際に通いたいかどうかは別として)という気持ちのみでなく、「つくりたい」のはどうしてなのかな、と、考えていました。

ひとつは、ただ単純に、自分の子どものこととは無関係に学校をつくりたい、運営をしたい、という場合。

もうひとつは、自分の子どものために、そういう場所を設けたい場合です。

今回は、後者について。

 

家庭内ではできないことが、学校をつくればできる?

子どもが必ずしもサドベリースクールへ通いたがるかというと、当然そうではありません。
(合う、合わないがあるし、全国のスクールはそれぞれに、色がまったく異なります)

ここではひとまず、子ども自身にとってもサドベリーの居心地がよく、通いたがっている、ということにします。

そういう前提の上で、サドベリースクールをつくりたいと言われる方たちのなかに、サドベリーの教育や精神がしっかりと血になっている方がいるかというと、ほとんどいない

ということは、子どもに対しても、(自分が)理想とする接し方を満足にはできていない。

サドベリースクールや、それに近い環境のなかで育ってきたひとたちがほとんどいないために、これらはしょうがないことです。

じゃ、家庭内ではできていないことが、学校(スクール)をつくればできるなんて、そんなことあるでしょうか。

 

「つくっただけ」では、サドベリースクールにはならない

サドベリーの精神は、スクールのスタッフとしてなら持てる、親としてなら持てない、というようなものではありません。

「自分の子どもにできないことを、よその子どもにできるわけがない」
「自分の子どもにできてこそ(スタッフとして)本物」

と、親であり、スタッフでもあった よっぴー が言っていました。

家庭内で(サドベリー的な)心地のよい親子関係を築けない状態で、そのふたりがサドベリースクールのスタッフとメンバーになったら、とたんにサドベリー的な関係が築けるなんて、そんなことはありえません。

子どものために、学校をつくりたいのは、なぜでしょうか。

あるいは、子どもに怒ったり、苛ついたり、強制したり「してしまう」のに、サドベリースクールをつくることができると思うのは?

もちろん、つくりたいと思うことも、つくることも、誰かにとがめられるようなことではないし、許可も必要ありません。

けれど、マニュアルやカリキュラムのあるタイプの学校ではないからこそ、今日、いますぐにだって「つくる」ことはできるけれど、「つくっただけ」では、サドベリースクールにはならない

まして、子どものためというなら、中身のともなった学校であることが欠かせません。

「人」がつくる学校だからこそ、確かな「人」が必要です(これは、家庭も同じこと)。

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