こんにちは、
AI-am(アイアム)の
よっぴー です。
日本の義務教育は無償ですが、民間のフリースクール等で学ぶ場合は、スクールへの会費が必要となっています。
フリースクールを含めた「義務教育は無償とする」を実現するにはどうすればいいのか。
無償とするための費用を、どこから捻出するのか。
教育機会確保法の「フリースクール等に関する検討会議」も余すところあと半年となり、以下の記事を投稿しました。↓↓↓
この課題に関して、先日「リュックサック政策」の情報をいただきました。
今回はそのシェアと、日本の教育への公的支出が34か国中最下位であることについて書いています。
もくじ
リュックサック政度とは?
情報をくださったのは、障害のない社会、多様性を認め合える社会の実現に向けて活動されている宮澤宏平さん。
大学生のときに、このリュックサック政策について学ばれたそうです。
この制度は特別支援が対象ではあるけれど、この考え方がシンプルで「僕は好きです」と宮沢さんは言われていました。
リュックサック政策という制度は、どういうもの?
オランダでは、特別支援教育に関しては、さらに2003年から個別生徒補助金政策(リュックサック制度)という制度が導入されました。
これは、障害のある特定の子供に対し、全国共通の基準によって、支援の種類を判定し、そのための予算を算出して補助金を決め、それを子供または保護者が自由に選んだ学校に持っていくというものである。
リュックサックというのは、一人ひとりの子供が判定によって算出された金を背負ってくる、という意味で象徴的に使われている言葉である。
この、子供がリュックサックに入れて持ってくる補助金を使って、普通学校は、その子供を受け入れるための設備や特別制度の教材を補充するなどの措置をとることができるようになった。
それまでの「もう一度一緒に学校へ」に加えて、このリュックサックに背負った特別資金を持参できるようになったことで、これまで、特殊学校にしか行けなかった子供でも、普通学校に入学できる可能性が増えた。
つまり、二つの政策によって、子供たちが学校を選択できる可能性が増えたのである。
リュックサック制度の背景と目的
リュックサック制度の背景
もともと学区制のないオランダでは、健常児であれば、通常自宅周辺にあるいくつかの学校の中から自分に相応しい学校を選ぶことができる。
これに対して、特殊教育を受ける子供の保護者の間からは、長い間、子供に複数の選択肢がないのは不平等の証であるという批判の声が上がっていた。
リュックサック政策の導入は、障害児の保護者の運動の結果として獲得されたものでもある。
もちろん、障害児の保護者の中には、子供の状態によって、普通学校への進学ではなく、あえて、専門の特殊学校を選ぶ場合もある。
リュックサック制度の目的
各地域には地域専門センターが設置されていて、個別の障害児の補助金額を決めるための判定を行っている。
地域専門センターは、障害児の保護者の相談に応じて、地域の学校の中から就学可能な学校を探す作業を支援している。
また、普通学校に就学している子供が、先に述べた習熟度モニター制度などを通じて、何らかの発達遅滞や障害の問題が発見された場合に、普通学校のケア教員が中心になって、地域専門センターの専門職員や、特殊学校の教員などと協力してその子供の指導にあたることも可能になった。
緊急措置指導というのは、普通学校で問題のある子供が発見された場合に、特殊学校の教員がやってきて直接指導したり、普通学校の教員にアドバイスを与えたりする制度である。
問題を早期に発見したり、適切な指導を早く始めることで、問題が深刻化することを防ぐことを目的としている。
画一的教育の不自然さ
人はみんな、好みも、考え方も、歩く速度もちがいます。
これこそが あったりまえ のこと。
数字が好きな子、文字が好きな子、考えるのが好きな子、からだを動かすのが好きな子、料理が好きな子、工作が好きな子、ゲームが好きな子、絵を描くのが好きな子、虫が好きな子、リーダーシップ力のある子、縁の下の力持ちの子、、、
すべての子どもたち一人ひとりに異なる個性。それら個々人に添う教育をと考えれば、
授業では実現できません。憲法で認められている「教育の自由」
オランダでは、1970年代からオルタナティブ教育が研究され、多くの学校に取り入れられてきました。
2003年から導入された 生徒当たり付属補助金政策 = リュックサック政策は、50年以上遅れている日本の学校教育に風穴をあけるヒントになるアイデアのひとつだとおもいました。
『オランダの個別教育はなぜ成功したのか – イエナプラン教育に学ぶ』(著/リヒテルズ直子)に、リュックサック政策のことが詳しく書かれています。
オランダでは、1917年の憲法第23条改正によって「教育の自由」が確立しました。
「教育の自由」とは、基本的に、設立、理念、方法の3つの自由、とされるもので、この原則に従って、オランダでは、地域の人口密度に照らして最低人数とされる生徒を集めることを証明できれば、宗教団体や市民団体が、公立校と同等の国庫補助金を得て、独自の宗教・非宗教の理念に従って学校を設立し、教育活動を行うことができ、しかも、教材選択や学級編成などを含む教育方法について、学校や教員の自由裁量権が非常に広く認められています。
一人当たりの学校教育費100万円
下の図は、一人当たりの学校教育費に関するデータです。
公立の小/中学校にこどもが通う場合、1人あたり年間94万円/107万円の公費補助が学校へ支払われています。
(※ 公立小・中学校の授業料が無償なのは、先生がたの人件費や施設費などを税金から支払っているからです)
日本の教育への公的支出は34か国中最下位
この100万円の教育費、先進国の中で最低クラスなんですよね。
日本の教育への公的支出は、34か国中最下位です。
もうね、とんでもなく、教育予算が少な過ぎです!
下の図は、経済協力開発機構・OECD加盟国が2018年に公開した、教育機関への公的支出割合「図表でみる教育(Education at a Glance 2018)」をもとに ReseMom が作成されたものです。
こどもは、小中学校も含む「学びの場」をどこに住んでいても選ぶことができ、その子に使われるはずだった税金で保障されるべきだとおもいます。
同時に、現在のところ一条校となっている小中学校に通うのは当たり前、という社会通念はまだまだ根強いです。
しかしながらこうしてシェアをしていくことで、その根強さが少しずつでも弱まっていくことを願います。
✔️ 詳しく書いている元の記事はこちら >>> 『 フリースクールはタダがいい!費用や料金のいらない「義務教育は無償とする」を実現するために 』
ちなみに、こちらは↓↓
世界の主要な国の国会議員の給料
- 日本 約2,200万円
- アメリカ 約1,570万円
- カナダ 約1,260万円
- ドイツ 約1,130万円
- フランス 約1,000万円
- イギリス 約970万円
- 韓国 約800万円
このお金も税金から支払われています。
今日の本
公教育をイチから考えよう/リヒテルズ直子・苫野一徳
硬直した一斉授業、受験のための学習…学校は本来そういう場所ではありません!世界の教育事情、そして教育哲学の視点からの提言。
[amazonjs asin=”B01MA37R1N” locale=”JP” title=”公教育をイチから考えよう”]