こんにちは、
AI-amの
吉田 晃子です。
今回は、不登校をしている子どもさんについて、親さんが将来を心配される際の質問、「就職はできるの?」について書いています。
「不登校でも就職できますか?」
不登校をしている子どもは、いま、すごく多いです。
でもそれは、一年や二年で急激に増えたのではなく、過去もう何年と続いていることなのです。
出典:文部科学省 平成24年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」
じゃあ、ずいぶん前から多いその不登校の子どもたち(今ではおとな)は、誰も働いていないんでしょうか?
もちろん違いますよね。もしそうなら、とうの昔にニュースになっています。
それでも、今なおよく挙がる質問が「不登校でも就職できますか?」。
この発想をされる方の多くは、マスコミが発信する「不登校 → ひきこもり → ニート」の構図を、知らず知らずのうちに鵜呑みにしてしまっているのではないでしょうか?
「不登校でも就職できますか?」。
学校に通って就職する人がいれば就職しない人もいるように、
学校に通わずに就職する人がいれば就職しない人もいる。
ただその人が就職するかどうかの話であって、不登校をしているかどうかは、関係のないことです。
「学校に行かない選択をして、これからの日本の社会の中で、職を得て自立できるのでしょうか?」
講演先では、「学校に行かない選択をして、これからの日本の社会の中で、職を得て自立できるのでしょうか?」という質問をいただきました。
大学卒業の学歴がなければ雇用しない会社や、専門的に学ばなければ就けない職業は、当然あります。
そういった会社、職に就きたいのであれば、大学なり専門学校に行く必要があります(ちなみに、 小・中・高と学校に行っていなくても、大学や専門学校に行くことができます )。
また、大学卒業の学歴があるほうが、基本的には就職に有利だというのも本当です。
けれどわたしがおもう大事なことは、
大学を出なければ雇ってもらえない会社は、今はあるし、10年、20年後にもあるとして、
それでも、「大学を出ていなければ雇いません」と言っている会社に入りたいとき、
「大学は出ていませんが……」と挑んでみる力や、これから大学や専門学校で勉強しよう!と進むエネルギーを子どもが持ちつづけていられる、そんな社会を、わたしたちおとなが取り戻すことです。
そんな能力、能動性を奪わないのが、親の役割 だと考えています。
しあわせの基準は本人のもの
あと、せっかく学校に行ってないんだから、やりたいことや、興味の向いていることがあるなら、おもいっきり没頭してほしいです。真剣な遊びが仕事につながることだってあります。
わたしが知っている、学校にいかない選択をした子どもたちはみんな、さまざまに仕事をしています。
大企業に就職することだけが◎とおもっている人から見れば、ダメ人間に見えたり、貧乏人に見えたりもするかもしれません。
でも、お金をいっぱい稼ぎたい人はお金をいっぱい稼いだらいいとおもうし、月7万円あればじゅーぶんって人は、月7万円でいいわけで、しあわせの基準は本人が決めるもの であって、まわりの人や親が決めることではありません。
大企業もあれば、中小企業もあります。ベンチャー企業や個人企業も。
営業が合う人。工場が合う人。弁護士になりたいなら弁護士になればいい。ホームレスがいいならホームレスをすればいい。転職してたくさんの仕事をしてみるのもいい。
本人がそれがいいっていうんであれば、それがいい。それだけのことです。
学校は選べませんが、仕事は選べます。
未来は個々の手のなかにある
親が心配することではなく、本人が考えることです。
そのために親がすることは、子どもの足を引っ張らないこと。
自立させなきゃという気持ちから、「学校にも行かず、なにやってんだ!」「就活もせず、なにやってんだ!」と言っているなら、それは、 「自立」と真逆の「依存」 に後退させてしまうことにもなります。
わたしたちまでが一緒になって「不登校でどうするんだ! そんなことでは将来がないぞ!」と声をあげることは、子どもの未来に鍵をかける行為 になりませんか?
子どもの足を引っ張らないということは、けっして放任することではありません。
子どもが必要としたときに、必要としただけの手助けをすれば、子どもは自分の力を大いに使って、自分の思うままに未来をつくっていきます。