こんにちは、
AI-am(アイアム)です。
今回は、中学の不登校から大学・専門学校へ入学する方法 をまとめました。
不登校をしていて大学、専門学校へ行く場合、基本的には
「高校を卒業する」、もしくは「高卒認定資格をとる」の2パターンがあります。
(星山まりんは、小・中・高に通わず、2ヶ月半の勉強期間で高認に合格して大学へ行きました → 星山まりんのプロフィール)
中学卒業から、現役で大学などへ入学するとしても、3年という時間があります。
自分に合う、いちばんいい形で、この3年間を過ごしましょう。
もくじ
高卒認定試験とは?
高等学校卒業程度認定試験は、様々な理由で、高等学校を卒業できなかった者等の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験です。合格者は大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。また、高等学校卒業者と同等以上の学力がある者として認定され、 就職、資格試験等に活用することができます。
高認はもともと「大学入学資格検定」(通称・大検)という制度でしたが、2005年度から「高等学校卒業程度認定試験」となりました。
試験概要は以下のとおりです。
受験しようとする試験の日が属する年度の終わり(2019年度試験については、2020年3月31日)までに満16歳以上になる人が受験できます。
平成17年度から、全日制高等学校等に在籍されている方も受験が可能となりました。合格のための科目数は、選択によって8科目~10科目(2019年現在)。
・国語(1)
・数学(1)
・英語(1)・世界史A or B(1)
・日本史A or B あるいは 地理A or B(1)・現代社会(1)あるいは 倫理、政治・経済(2)
・科学と人間生活、基礎物理、基礎化学、基礎生物、基礎地学
のうち科学と人間生活+基礎いずれか1科目(2)
あるいは 基礎いずれか3科目(3)
高認は、高卒と同等の学力があることを示すことができる資格です。
そのため、その後に進学するまでは、学歴上では中学卒業が最終学歴になります。
1.高校卒業 → 大学・専門学校へ入学する
全日制
公立高校は一般的に内申書を重視しますが、不登校枠※1といわれるものがあり、原則として※2一般募集において、全日制すべての高等学校で実施されます。
※1 内申書は関係ありません。不登校枠という特別な枠があるのではなく、入学定員の中での成績順位です。従来の受験同様、競争となります。内申点がないため、かなり高い当日点が必要になると思われます。
※2 地域の自治体によって事情は異なります(都立高には内申点に関係なく学力のみで入れる枠がありましたが、中学からの圧力でなくなったという情報がありました)。これは、調査書の学習の記録・出欠の記録の得点は用いず、学力検査の得点の合計と副申書、自己申告書等の内容を見て選抜する特別な受験方法です。
面接はあります。面接では不登校の理由について言及されると思われます。
副申書は先生に書いてもらわないといけないので、いずれにせよ進学を希望するのであれば、学校の担任の先生、または進路指導の先生に相談してみてください。
全日制高校の場合、登校は週5〜6、授業時間は朝から夕方にかけて6〜7時間、3年間で卒業、というのが標準的な形です。
全日制の特徴は、やはり一般的な「高校生活」というものが味わえるところでしょうか。
基本的にはクラスメイトが同年齢であり、部活動もできます。
定時制
定時制高校とは、定時制課程が設置されている高校のことです。
定時制は夜に授業があるところ、夜間部、というイメージがあるかもしれません。
ですが基本的に授業時間は、日中の時間帯と、夜間の18時以降から21時までの3時間で構成されています。つまり夜の定時のほか、昼間の定時もあります。昼間部に加えて朝の部にも授業を設けている3部制の高校もあります。
平成15年に改正され、3部の時間帯での授業が開始されることにより、4年通学をしないといけなかったところを全日制と同じく3年でも卒業ができるようになりました。
そのため、定時制高校でも、昼間部と全日制の課程は、ほぼ同じです。
また、定時制から全日制へ転籍が可能な学校もあります。
全日制と比べて、年齢の幅(=人の幅)がぐっと広くなります。
卒業までの最長期間は6年で、それ以上になると、退学(除籍)・編入などの措置がとられます。
通信制
全日制・定時制高校と、通信制高校の大きな違いは、必要な登校日数です。
全日制・定時制の登校週5日に対し、通信制高校は一般的に週1日〜2日や月2回、年に数回、合宿制など、さまざまな学校・コースがあります。
そのほかは自宅学習がメインになり、課題(レポート)・テストで単位を取得する場合がほとんどです。
卒業までの在籍期間は学校によってさまざまですが、期限が設けられている場合は、7〜8年が多いようです。
自学自習になるため自由度の高い学び方・生活ができますが、一方で、全日制のほうが「行っておけばだいたいは卒業できる」という側面が強くなります。
参考記事 >>>
中学不登校でも高校進学できる全日制・定時制・通信制|公立・私立高校一覧
2.高卒認定試験(高認)合格 → 大学・専門学校へ入学
高認試験を受験、合格して大学・専門学校へ進むパターン。
高認試験の勉強をするには、大きく2つの方法があります。
予備校・塾に通う
高認試験のための専門コースがある予備校一覧はこちらです。
もちろん全科目を教わることもできますが、科目ごとに得意・不得意があるはずなので、いくつかの科目だけを選択して教わるのがいいかもしれません。
また、大学入試のことを考えれば、予備校や塾に通うことがメリットになる場合もあります。
ですが、大学入試の対策として予備校・塾を利用するのであれば、「高認から大学へ」というコースではなく大学入試のためのコースを受けるほうがいいかと思われます。
独学
高認試験は、実際それほど難しいものではありません。
もちろん感じかたは人によってさまざまですが、出題範囲は高校1年生までですし、解答はマークシート式で、選択肢も4択となっています。
小学校・中学校の勉強をしていれば、もっとハードルは下がります。
独学でも十分可能ですが、独学だと集中力が続かない場合は、予備校に通うのもいいかもしれません。
高卒と高校の比較・違い
1.勉強方法
高校を卒業する場合と高認資格を場合とでは、まず以下の点が大きく異なります。
- 高校(全日制・定時制・通信制いずれにせよ)では、高校3年生までの勉強をする
- 高認資格では、高校1年生までの学習が試験範囲
大学入試のことを考慮すれば、結果的には高1以降の勉強も必要になってきます。
ですが、大学(または専門学校)合格・入学が目的であれば、むしろ必要なのは高校2・3年の勉強よりも、大学入試用の勉強ですので、あえて高校の学習に時間をかけることはないかと思います。
また、この2パターンでどちらを選ぶか、というとき、「主体性がある/ない」も重要になってきます。
高認試験でも、予備校と独学では向き・不向きがありますが、高校と高認試験の場合はさらにそれが顕著になります。
自分で情報を集め、スケジュールなどを組み、調整し、集中力やモチベーションを下げずに勉強をこなせる場合は、高卒認定のほうが楽かもしれません。
逆に、情報収集やスケジュールを考える必要がそれほどなく、カリキュラムが用意されており、基本的にその時間内は勉強しなければいけない、という環境のほうが捗る場合は、高校を卒業するほうが近道ともいえます。
また、高認には高校で取得した単位による試験免除もありますので、高校を中退して、いくつかの科目を高認で合格するという方法もあります。
ただ、前述したように、高卒認定試験に合格して得ることができるのは「資格」であって、高校卒業という「学歴」ではないことには注意が必要です。
参考記事 >>>
不登校から大学へ行く4つの方法を、小中高に通わず大学に行ったわたしがまとめました。
2.学費・費用
定時制高校(公立)の場合
- 入学金:2,100円
- 授業料:学年制32,400円/年 or 単位制1,740円(1単位取得費用×履修単位数)
- 施設設備・積立金・その他費用:10万円程度/年※公立であっても、PTA費、振興会費、生徒会費、実習関係費、給食費、教科書代のほか、部活に所属する場合はその費用、修学旅行の積立金など、生徒、保護者が負担する金額には学校によって開きがある模様です。
定時制高校(私立)の場合
- 入学金:20万円程度
- 授業料:40万円程度/年
- 施設設備・積立金・その他費用:20万円程度/年※私立の定時制高校は公立に比べて費用は高いですが、手厚いサポート体制と4年制大学などへの進学の実績があるため、人気は高いようです。
通信制高校(公立)の場合
- 入学金:500円
- 1単位取得費用:336円(×卒業に必要な単位数74単位=24,864円)
- 施設設備等その他費用:30,000円程度/年
※公立校は、勉強や精神的な面をケアしてくれるサポート校とは連携できません。
通信制高校(私立)の場合
- 入学金:50,000円程度
- 1単位取得費用:5,000~12,000円程度(×卒業に必要な単位数74単位=37万〜88万円程度)
- 施設設備等その他費用:30,000円程度/年
※多様なコースが設けられており、たとえば平日毎日登校するコースであれば、学費は高くなります。また学校により相当な幅があります。 学校の資料集めは必須 です。
参考記事 >>>
学費・就学支援金|通信制高校学費と定時制高校学費の比較
高卒認定(予備校・塾)の場合
例:第一学院高認予備校(2016年12月時点)
1月スタート・8月の高認試験で8科目合格コース
⇒ 270,000円
1月スタート・8月の高認試験で1科目合格・7科目を通信制で単位履修コース
⇒ 310,440円
+ 高卒認定試験 受験料
(3科目以下 4,500円
4科目以上6科目以下 6,500円
7科目以上 8,500円)
高卒認定(独学)の場合
高卒認定試験 受験料
(3科目以下 4,500円
4科目以上6科目以下 6,500円
7科目以上 8,500円)
+ 各参考書代
3.勉強時間以外の生活
高校生にあって、高認だけを受ける人にないもの
- 校則
- 学割
- 「学生」という肩書き
勉強と進学に関しては、高校に行かないとできないものではありません。
唯一得られないものは、「学生生活」です。
たとえば部活動、文化祭などの行事への参加もできることになります。
大学入試はともかく高認の勉強に関しては、3年もの期間は必要ありません。
長くて1年、まったく勉強したことがなくても、早くて数ヶ月あれば準備ができます。
そのため、高校を選ばない場合は、多くの時間が生まれます。
3年間働いて、その後の学費にあてることもできるし、趣味に時間を費やすこともできます。
また、今回は現役入学の話でしたが、大学にかぎらず、高認・高校には年齢制限がありません。
自分はどうしたいのか、なにが目的なのか? ということがハッキリすれば、自然とこの2パターンのどちらかを(あるいはこれ以外にも)、自分にとっての時期で、選ぶことができると思います。
高認については、こちらの本にも書きました!
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