【不登校の親必見】前川喜平氏の学びの解体新書から読み解くホームスクールやフリースクールなど学校外の選択は違法ではなく憲法上存在し得ることについて

am3こんにちは、

AI-am(アイアム)
よっぴー です。

 

義務教育という言葉は誤解されやすいですが、憲法は「子どもが学校へいく義務」を定めてはいません。
憲法がいう義務は、「保護者が子どもに 普通教育 受けさせる義務」です。

 

[box class=”glay_box” title=”日本国憲法第二十六条 二項”]
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に 普通教育 を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。[/box]

 

普通教育なんですよ。← ココ、すっごく急所なとこね!

普通教育であって、学校教育ではないんですよ。学校教育 に限られるとは言っていません。

 

すなわち、

ホームスクール(ホームエデュケーション)もそうだし、
フリースクール もそうだし、
デモクラティックスクール・サドベリースクール もそうだし、
シュタイナーや、サマーヒル教育のきのくに子どもの村、フレネ教育の箕面こどもの森学園などの オルタナティブスクール もそうだし、
インターナショナルスクールもそうだし、、、

学校外の選択だって、憲法上、存在し得るということです。

 

そして急所はもうひとつ。

子女(しじょ)、つまり子どもたちに対して国民は、普通教育を受けさせる義務を負っています。

受けさせるという部分が理解の急所です。

小学生や中学生が教育を受ける義務があるわけではありません。

なので、不登校は子どもの義務違反ではありません。

 

学校に行くのをやめた子や、学校に行く・行かないを選択している子、不登校している子、登校している子、および保護者の方はじめ、
来春以降、子どもさんが就学をむかえるにあたり、公の学校には通わせない(通わせたくない)と考えていらっしゃる保護者の方へ、

下記掲載の、前川喜平前文部科学事務次官の「学びの解体新書」をご紹介します。

画像を保存するなり、新聞社に連絡をとって送ってもらうなどして、手元に置いておかれると、心強いかと思います。

 

前川喜平前文部科学事務次官の「学びの解体新書」

前川喜平さんが、沖縄新聞や愛媛新聞、福井新聞など多くの各地方紙で、教育行政や教育現場が抱える諸問題について綴られている「学びの解体新書」。

下記は、その「学びの解体新書 ⑥」が載っている、信濃毎日新聞 朝刊 2018年6月14日付けの画像です(左側)。

 

学びの解体新書 前川喜平⑥
信濃毎日新聞 朝刊 2018年6月14日 学びの解体新書 前川喜平⑥
信濃毎日新聞 朝刊 2018年6月14日 学びの解体新書 前川喜平⑥

 

信濃毎日新聞朝刊 2018年6月14日 学びの解体新書 前川喜平⑥
↓↓ は拡大したものです。

信濃毎日新聞 朝刊 2018年6月14日 学びの解体新書 前川喜平⑥
信濃毎日新聞 朝刊 2018年6月14日 学びの解体新書 前川喜平⑥

 

信濃毎日新聞朝刊 2018年6月14日 学びの解体新書 前川喜平⑥
↓↓ は書き起こしたものです。

学校教育法は、保護者に対し、子どもが6歳から15歳までの間、小中学校等に就学させる義務(就学義務)を課している。督促されてもなお従わない違反者は、罰金を科される。つまり就学義務の履行違反は犯罪なのだ。

2017年1月、中学生の娘を学校に通わせなかったとして、大阪府警が母親を学校教育法違反の疑いで書類送検した。当時の報道によれば、アイドル活動に専念させたかったのだという。

就学義務違反の摘発はかなり珍しい。不登校が社会問題化した1980年前後から、就学義務違反は摘発されなくなった。不登校(子どもが学校へ行かないこと) と就学義務違反(保護者が子どもを学校へ行かせないこと)とは、一見よく似た事態で区別がつけにくいからだ。しかし、子どもの学習権保障の観点からは天と地ほど違う。就学義務違反は学習権を蹂躙する行為だ。放置してよいはずはない。

では保護者が子どもをインターナショナルスクールに通わせている場合はどうか。「小中学校等」に当たらないため、形式上は就学義務違反ということになってしまう。

だが憲法26条2項は、保護者は「その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う」と規定しており、「学校教育を受けさせる義務」とは言っていない。学校外の義務教育という選択は、憲法上は存在し得るのだ。

14年7月の教育再生実行会議第5次提言は、インターナショナルスクールの位置付けについて、就学義務を含めて検討することを国に求めたが、その検討は進んでいない。当面は、刑罰を科すほどの違法性がないという考え方で、現状を認めるべきだろう。

子どもの不登校なのか、それとも保護者の就学義務違反か—。見きわめるのは、市町村教育委員会の責務だ。違法と判断したら、ためらわず刑事告発すべきである。

出典:信濃毎日新聞朝刊 2018年6月14日

 

「学びの解体新書」は〝お宝〟

この学びの解体新書 前川喜平⑥ が載った新聞の画像は、

よっぴー・まりんのオンラインコミュニティ「お母さんのじかん365」に入会されているメンバーが、コミュニティ内にある「学校あれこれスレッド」に、「前川さん、いつものタッチとは違い、この記事では官僚らしさ全開ですねー。」と違和感を覚えた旨とともに、添付してくださったものです。

教育に高い関心をお持ちの方で、不登校についてもいろいろと知り、憲法の知識もあるがゆえに、「ここに書かれていることは当たり前で、そうでない人から見ると〝お宝〟というのには気づかなかったなー。」と言われてました^^

 

いやほんとにね、前川さんの講演に行かれたことのある方や、文章に触れられたことがある方なら、確かに違和感を覚えることと思います。

いつもなら、理路整然としていて、なおかつ柔らかく、分かりやすさを前面に出された物言いだもんね。

 

で、学びの解体新書 前川喜平⑥ を読んだわたしの(コミュニティ内への)投稿が以下です。

 

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子どもの「不登校」と「保護者の就学義務違反」は違う

記事に、憲法26条2項を記載されて、「普通教育」について書いてくださっているのは、ほんとすごいことです。

 

> 「学校教育を受けさせる義務」とは言っていない。学校外の義務教育という選択は、憲法上は存在し得るのだ

↑↑ この一文はお宝です!

 

> 不登校(子どもが学校へ行かないこと) と就学義務違反(保護者が子どもを学校へ行かせないこと)とは、一見よく似た事態で区別がつけにくいからだ。しかし子どもの学習権保障の観点からは天と地ほど違う。

↑↑ こちらもです!

 

「子どもの不登校」と「保護者の就学義務違反」は違うのです。

 

賢くなる

なにかを申し出るため(たとえば 通学定期 とか、 PTA退会 とか)校長先生や教育委員会の方とお話しするときに、わたしなんかも、新聞に掲載された記事等を持っていったものでした。

学校や教育委員会は知らないことも多いんですよね。

だから、怒ったり、ケンカ腰に言うんじゃなくて、相手が受け入れやすくなるように相手の立場が決して危うくならないように、細心の配慮を考えながら、うまいこと、伝える。

シャットダウンされたら、終わっちゃうし、なにより、後続の方たちの道がとぎれてしまうから。

就学義務違反

[box class=”pink_box” title=””]子どもを公の学校に通わせたくなくて……
でもそれは、親の「就学義務違反」になるのですか?
親の「就学義務違反」を問われて刑事告発なんてこともあるのですか?[/box]

といったご質問をよく受けます。

 

未就学の子どもさんだけではなく、

子どもさんが学校に行かなくなったことで、学校教育に疑問や危機感を持たれ、このままもう学校に通わせたくないと思うけど、それって親の「就学義務違反」になるの? といったものです。

 

このことについては、 ↓↓ の記事をはじめ、

[kanren postid=”9654″]

[kanren postid=”9730″]

折々に書いていますし、

普通教育機会確保法と合わせて伝えていきたいことがたくさんあるので、どんどん新たにも書いていきます。

今日の本

これからの日本、これからの教育/前川喜平・寺脇 研

加計問題での勇気ある発言で時の人となった前文科省事務次官の前川喜平氏と、「ミスター文部省」と言われた寺脇研氏が、この国の行政から教育まで徹底討論。
一人ひとりの生きる力をサポートするのが教育の使命。その思いのもと、どんな人でも、いつでもどこでも学べるよう改革を進めてきた二人の文部官僚。復古的なナショナリズムと、弱肉強食を放置する市場主義が勢いを増すなかで、加計学園の問題は起きた。この問題を再検証し、生涯学習やゆとり教育、高校無償化、夜間中学など一連の改革をめぐって、とことん語り合う。これからの日本、これからの教育を展望する希望の書である。

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面従腹背/前川喜平

「あったことをなかったことにはできない」
安倍晋三首相と親密な関係といわれる学校法人加計学園が、国家戦略特区に獣医学部を新設した問題で、官僚トップの事務次官を務めた著者がなぜ「総理の意向があった」と記された文書の存在を認めたのか。「公正・公平であるべき行政が歪められた」として、安倍政権下で起きた加計学園問題をはじめ「権力私物化」の構造を糾弾する。そして、「道徳の教科化」や「教育勅語」の復活など、安倍政権が進める教育政策に警鐘を鳴らす。
さらに、文部科学省という組織の中で、「面従腹背」しながら行政の進むべき方向を探し続けた38年間の軌跡を振り返る。

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