親や教師が邪魔しなければ、子どもはみな天才だ。と言ったのは誰だったろう。 これは子どもの天才を信じて、通常の学校教育という邪魔を控えた、勇気ある母子の物語である。/書評でつながる読書コミュニティ「本が好き!」レビュー紹介 ⑥

小さな天才の育て方・育ち方-小・中・高に通わず大学へ行った話』の発売から約1ヶ月がたちました!

amazonレビューのほか、「本が好き!」(http://www.honzuki.jp)という書評サイトでもレビューを書いていただいたので、ご紹介します。

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親や教師が邪魔しなければ、子どもはみな天才だ。と言ったのは誰だったろう。 これは子どもの天才を信じて、通常の学校教育という邪魔を控えた、勇気ある母子の物語である。

良かれと思って余計な手出しをしたり、自分の都合で放っておいたりと邪魔をする、親はあってもなんとか子は育つ。
親や教師の妨害や理不尽に怒り、反発し、自分は絶対そうはなるまいと思いながら、数十年後には同じことをしてきたのが人間の歴史なのではないか。
既存の教育制度など、他に共通の敵を持つことにより、親が子の味方であり続けられたのは、著者親子にとってむしろ幸いだったかもしれない。

いじめ被害者や学校という空間の苦手な子などに、別ルートで教育を受けて大学に進むこんな道があるよ、という手引き書かと思って手にした。
小中学校は通学しなくても卒業はできること。魅力的なデモクラティックスクールに通っていたこと。など参考になるが、基本的にはあくまでもある一組の母子の実際の体験談である。

「学校に行けない」で世間がイメージする無気力系、引きこもり系の子どもさんと親の方が多く助言を必要としているだろう。この著者親子はむしろその対極にあるようだ。生命力にあふれた子どもらしい子どもであるがゆえに、学校の理不尽さを強く感じたらしい。

一般的な学校に行けなくても行かなくても、やりたい物事が見つかり自分の考えが育っていれば何の問題もない。特別の目標も特技もない子どもだと、せめて学校教育くらい受けておかないと社会で居場所を見つけにくいのだが。
例えばアメリカなどだったらこの母子の選択は全く普通のことではないだろうか。
日本の公教育は規格品労働者製造工場で、自分の頭で考え、自ら行動する個人の育成をむしろ妨げている、という従来から言われていることのひとつの実証例だ。

17歳になった本人が大学教育を受けたくなり、小中高12年間の勉強を2か月半でやり、半年で大学に合格した、というところが、この本の肝である。
必要を感じたときには人一倍努力もできるし身につきやすい。その意味ではそんなに驚かない。
学校に行かず引きこもって人づきあいをしなければ、社会性も発達しないし、学力も伸びないが、通常の学校教育を受けなかったというだけで、興味のあることを深く学び、アルバイトもして、しっかり社会生活はしていた子どもさんなのだから。
むしろ、普通の小中高校は12年間もかけて、学習面では、17歳がやる気になったら数ヶ月でほぼ追いつく程度のことしか教えていない、ということの方が驚きかもしれない。
しかし、高度な学問がしたければ大学・大学院に行けばよい。小中学校は基礎基本、高校は大学へのつなぎに過ぎない。
学校は必ずしも行かなければいけないものではないのだ。

普通の学校は大量生産の既製品なので、どこか合わないところは必ずある。それに対処する(戦うにせよ、我慢するにせよ)訓練のために行っているようなものだ。比較的、型にはめない私学に進学という方法を選択した我が家としては、高校部活などで同じ反発や連帯感を共有した同年代の友だちを複数持つのが学校に行く意味だと思うが、それとて不可欠ではない。
思い切って学校に行かない、という選択肢もあっていい。

ただ、学校に行かないなら、この本のように、それに代わる何らかの社会生活が必要であり、それなしには大学進学も将来の自立も難しいだろう。そういう場に出会えるかどうかは、子どもの資質と親の覚悟にかかっているような気がする。
(レビュアー:ぴょんはま さん)
https://www.honzuki.jp/book/238535/review/156306/

 

「本が好き!」レビュー紹介 ①
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