堀江貴文「生活保護世帯への進学支援は税金の無駄遣い」と内田樹「大学教育は生き延びられるのか?」から大学について考える

am3こんにちは、

AI-am(アイアム)の吉田 晃子です。

 

先日、大学についておもうことを書き出していたとき、堀江貴文さんの「生活保護世帯への進学支援は『税金の無駄遣い』」に物議 のニュースがちょうど流れてきました。

 

「生活保護世帯への進学支援は『税金の無駄遣い』」に物議

実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が、政府が打ち出した生活保護世帯の子どもの大学などの進学支援に対して「税金の無駄遣い」とツイートし、物議を醸している。(ハフポスト日本版)

堀江氏は12月10日のTwitterで「補助金だすとかマジおかしい」「税金で高等教育をあまり役に立たない人に施すのは間違ってると思う」と投稿している。

また、こうした発言に寄せられた疑問の声が答える形で、12日にも再び「すでに優秀なやつは返さないでいい奨学金もらってるだろって事だよ」と反論している。

堀江氏の一連のツイートによると、大学は、一部の人のための教育機関であるべきとみなした上で

・成績優秀者には給付型の奨学金制度があること

・魅力が薄い、あるいは努力不足などで入学者を確保できない大学が淘汰されないことへの批判

といった点から、疑問を提示したようだ。

出典:YAHOOニュースハフポスト日本版

 

これ自体は単なる売名かもしれませんが、こういった記事《ホリエモンの「生活保護世帯への進学支援は『税金の無駄遣い』」》に反応して、自分の考えがくっきりしてくる、ということはあります。

 

生活保護家庭の子どもの大学等進学

堀江さんの言う「役に立つ人、立たない人」の価値判断はわたしとは異なりますが、

生活保護世帯の子に大学進学支援最大30万円支給 という厚生労働省の方針には、「使い道そこ?」と首を傾げました。

 

生活保護家庭の子どもが大学に行くには「世帯分離」といって、家族(生活保護家庭)からはずれて、別の世帯にならないといけません。

つまり、大学に行く本人が生活保護受給者ではダメってことです。

 

今や、大学を受験する段階でも、多額のお金が必要です。

ひとつの大学のひとつの学部を受けるにしても、たくさんの種類の試験方法が用意、もとい売られています。

ひとつの大学で複数の学部 + 複数の大学 + 地方から上京して受験する場合などには、交通費や宿泊費もかさみます。

合格すればもちろん、入学金をはじめ、授業料、教科書代等が必要です。

 

それから生活費。家を借りるにもお金が必要です。

乱暴な言い方だけれど、生活保護家庭の子どもは、貯蓄や家族からの仕送り等はないに等しいと思うんです。残された家族の生活も、世帯構成員が一人減って厳しくなることは想像がつきます。

そこに、(最大)30万円?

 

大学について考える

生活保護に限らず、奨学金制度も見直していただきたいです。

地方にお住まいの方が上京して東京の大学を出られたとき、そのスタート時点で、 およそ1200万円の借金が肩に乗っかる といわれています。

[amazonjs asin=”B01MZFXHN2″ locale=”JP” title=”「奨学金」地獄(小学館新書)”]

 

そもそも「大学」について考える

大学教育は生き延びられるのか?は、2016年5月19日、国立大学教養教育実施組織会議特別講演・サンポートホール高松にて開かれた 内田樹 さんの講演記録です。

この中で内田さんは、日本の大学は、このままではもう先はないと話されています。公的制度としてはもう破綻している。ブラック企業と同じだと。

長いですが、ご興味がある方は、ぜひ!

>>> 大学教育は生き延びられるのか?
http://blog.tatsuru.com/2017/11/03_0922.php

 

試験に辞書やスマホを持ち込んではいけないのはなぜ?

星山海琳 さん(大学生)と話してたんですが、入試をはじめ、学期末試験には、なぜスマホ等を持ち込んではいけないんでしょう?

記憶していることが重要な試験もあるかもしれませんが、たとえば作家や脚本家など物書きをめざす人たちにおいては、辞書やノートの持ち込み不可の試験というのはナンセンスですよね。

芸術方面に限らず、スマホや辞書を持ち込んだら即答できるかもしれない、というような画一的な試験内容を、変えていくときなんじゃないかなと思うのです。

 

どうして学校に行くのか? どう行くのか?

いずれにせよ、本当に、個々人が 教育とはなにか ということを考えないといけない時期 だと思います。

 

どうして大学に行くのか?

どうして高校に行くのか?

どうして中学校に行くのか?

どうして小学校に行くのか?

どうして幼稚園に行くのか?

どう行くのか? ……。

 

国の制度は、いますぐに自分の手で作ることはできないけれど、

>>> 学校って必要なの?教育は自ら選ぶ時代になった不登校の選択 でも書いたように、どれを、どう、チョイスするのか。

小学校は行く、中学は行かない。小学校は、月曜日と木曜日だけ行く、などなど、選択は自分ペースでいいはず。

 

大学に行く場合、大学が無料になるまでは、学費はどうするのか?

海琳さんのように12歳でコミュニティを立ち上げ、運営しながら15歳からは一般のアルバイトもして、大学へ行くのもあり。

高校在学中または卒業後、働いて、そのあと大学へ行くのも、もちろんあり。

 

>>> 大学入学者の平均年齢が、世界主要国でもっとも低い日本。常識と画一的教育を受けてきた親世代が、選択肢を広げていくためにすること を書いた記事はこちら

 

世界主要国の大学進学率、大学入学年齢平均

1位 オーストラリア

  • 大学進学率:96%
  • 大学入学年齢平均:26歳

 

2位 アイスランド

  • 大学進学率:93%
  • 大学入学年齢平均:29歳

 

3位 ポルトガル

  • 大学進学率:89%
  • 大学入学年齢平均:32歳



7位 ノルウェー

  • 大学進学率:76%
  • 大学入学年齢平均:30歳

 

9位 アメリカ

  • 大学進学率:74%
  • 大学入学年齢平均:27歳

 

12位 オランダ

  • 大学進学率:65%
  • 大学入学年齢平均:22歳

 

13位 デンマーク

  • 大学進学率:65%
  • 大学入学年齢平均:26歳

 

27位 ドイツ

  • 大学進学率:42%
  • 大学入学年齢平均:24歳

 

スクリーンショット(2017-12-16 18.58.49)
出典:文部科学省「大学進学率の国際比較2010年」

 

スクリーンショット(2017-12-16 19.07.44)
スクリーンショット(2017-12-16 19.24.24)
出典:文部科学省「教育指標の国際比較2010年」

 

今日の本

新版 世界の学校―教育制度から日常の学校風景まで

世界の学校をあなたはいくつ知っている? 知っているようで知らない世界の学校の日常。教育制度から日常の学校風景までをまとめた大好評の『世界の学校』が全面改訂。

[amazonjs asin=”4761920297″ locale=”JP” title=”新版 世界の学校―教育制度から日常の学校風景まで”]

教育の方法

よい学校とは、問題のない学校ではない。問題を共有している学校である。カリキュラムや授業や学びについて、フィンランド教育をはじめ、最新の研究成果をわかりやすく提示。

[amazonjs asin=”4903500349″ locale=”JP” title=”教育の方法 (放送大学叢書)”]

投げ銭はこちら

Paypal.Meの画面を移行後、「送信」よりお進みください。
金額はおいくらでも、と言いたいところなのですが、手数料が差し引かれてしまうため、すみませんが300円〜でお願いします。

この記事がよかった役に立ったオヤトコ発信所を支援したい・応援したいと思ってくださった方は、よろしければ投げ銭をお願いします!

心の支えにさせていただくとともに、これからの活動に役立てていきます。