こんにちは、AI-am(アイアム)の吉田 晃子です。
東京大学 先端科学技術研究センター教授・中邑賢龍(Kenryu Nakamura)さんの新刊『育てにくい子は、挑発して伸ばす』(文藝春秋 (2017/8/10)を一足先に読みました。
もくじ
中邑賢龍教授から本をもらった!
先日の東京滞在時、なんと! 8月10日発売予定の『 育てにくい子は、挑発して伸ばす 』(文藝春秋)の新刊本を、中邑賢龍教授から直々に頂戴しました!!
あ、直接いただいたのは、 星山海琳 さんなんですがね ٩(ˊᗜˋ*)و
わたしじゃないんですけど、書かれたご本人さんから御本をいただけるのって、すんごいことだと思っているので、嬉しい限りです。
家族の特権ということで……、海琳さんに貸してもらって、拝読いたしました。
『 育てにくい子は、挑発して伸ばす 』東大 異才発掘プロジェクトの教育メソッド
感想
第一章を読んでるときは、A.S.ニイル(イギリスの教育者であり、「世界でいちばん自由な学校」とよばれるサマーヒル・スクール(Summerhill School)の創設者)の「 問題の子どもというのは決していない。あるのは問題の親ばかりだ 」の言葉を思い出した。
A.S.ニイルが『 問題の親 』で書いていることを、さらりと、律動的に、アレンジしたような現代版で、とても読みやすいです。
しかしながらやわらかい文調の奥で、親が賢くならないといけない、ということを痛感させられる内容だとおもいました。
賢くというのは、子どもとの関わりにおいては 聴くこと だとわたしはそのように考えています。
まずは 聴く。そして 考える。想像する。感じる。
とは言ってもそれが難しい。
難しいが証拠に、およそ70年前に書かれた『 問題の親 』の親たちが、今も趣向を変えて健在しています。
以下は、『 育てにくい子は、挑発して伸ばす 』からの抜粋です。
こんな会話の経験はないでしょうか。
母「今日はいい天気だね。お出かけしようよ」
子「うん!」
母「どこがいい?」
子「ゲームセンター!!」
母「えっ! お天気なのにゲームセンター? せっかくだから公園で運動しようよ」
子「じゃあ行かない」
母「何でそんな勝手なこと言うの!」
ん? これってへんですよね。
子どもと話しをしていて、子どもが急にムスっとしたり、機嫌が悪くなったり、乱暴的になったときというのは、えてして親のほうが上↑↑のような勝手なことを言ったり、余計な一言を吐いたりしたときです。
会話を丁寧に考えてみましょう。声のかけ方を変えるだけで、叱る必要がなくなります、と書かれています。
なぜやりたいことを、やりたいように、勉強することが許されないのか。
なぜ単一的な詰め込み教育を行われなければならないのか。
考えさせられます。
凸凹した部分は誰にでもあります。
わたしは右と左が瞬時にわからない人なんですが、それが苦手でも学校の勉強で困ることはなかったし、そのことでテストの点が下がることもなかったので、苦痛を感じることはありませんでした。
しかし凸凹が、字を書くことが困難な子どもの場合だったらどうでしょう?
読むことに困難を覚える子どもだったらどうでしょう? この本はそのことをズシリと教えてくれます。
1学年以上勉強が遅れている子どもの80%に、書きの困難が疑われているそうです。漢字を書くのが遅かったり、字が汚かったりすると、能力はあっても評価されません。 意欲が低下するのは当然です。
勉強しないのは意欲がないからと考えるのはいいが、意欲がなぜ下がっているかも考えなければいけないと、著者の中邑賢龍教授は言われます。
聴覚過敏性のある子どもに有効な、ノイズキャンセリングヘッドフォンのことも詳しく書かれています。
ユニークな特性を持つ子どもも、書くことに困難を覚える子どもも、読むことに困難を覚える子ども、口べたな子どもや、集団で学ぶことが苦手な子どももすべての子どもが、教材の選択ひとつで学びは大きく変わります。
ただ「頑張れ」とやみくもに言うのではなく、主体的に取り込める方法を大人は知ってほしいとおもいました。
子どもたちを一箇所に集め、同じ時間、同じカリキュラムで、同じ教科書によって、誰もが同じような方法で勉強しなければいけない学校はもう古い!
様々なスタイルの勉強方法が広く受け入れられるようになってほしいです。
偏狭な学校教育しか受けてこなかった者にとって、世界がいっきにひろがる一冊になるのではないでしょうか?
内容紹介
集団生活にフィットしない、友達が少ない、言うことを聞かない、こだわりが強すぎる……、そんなユニークで“育てにくい子”こそ、日本を変える人材かも!
子どもの短所に思える部分にばかり目を向けるのではなく、ほかの子と違うからこその面白さ、強さを活かすことで、子どもの可能性は大きく広がります。
東大先端研が2014年から取り組む異才発掘プロジェクトROCKET。
既存の学校には馴染めない個性豊かな子どもたちを受け容れ、その個性を潰さず伸ばそうと始まったプロジェクトには毎年、多くの親子が参加を希望するなど注目を集めています。ROCKETのディレクターを務める中邑賢龍教授が、“育てにくい子”を育てる親、そして教育関係者に向けて発信する子育て論は、これまでの常識に捉われた大人たちに新たな視点を与えてくれます。
受験競争で勝者になることが、幸福な未来につながると確信できた時代は終わりました。
進化したAIが台頭する時代を生きる子どもたちに、大人は何を伝え、サポートしてやることができるのか。子どもに関わるすべての人に読んでほしい一冊です。
出典:amazon
友達が少ない 言うこと聞かない こだわりが強すぎる そんな子どもこそ、将来有望!?
帯表紙側に書かれている言葉です。
裏には、「みんなと同じ」を抜け出そう! と吹き出しにあって
- 親が見ている世界と、子どもに見えている世界
- 叱り、挑発することで子どもは限界を超えていく
- 余白のない放課後が、子どもたちにもたらすもの
- 学校で友達を探すのは、エネルギーの無駄づかい
- 勉強になくてゲームにはある、魔法の魅力
- 裸知能と矯正知能、どちらがフェアか
- 宿題にかかる時間、長すぎませんか?
- 難関大学合格という、もっとも簡単な選択肢
- 就職できなくても、仕事はできる
- お膳立てと筋書きが成長を妨げる
- 100%を超えた、その先にあるもの
と、目次の一部が書き出されています。
また、帯中には、中学3年からROCKETに参加されている方のイラストが載ってますー!
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