「約束を守らない子ども」から「話し合う親と子」へ

amam
こんにちは、

AI-am(アイアム)のよっぴーまりんです。

 

「子どもが○○と言ったのに○○しない」「子どもと○○と決めたのに○○しない」…など、「子どもが約束を守らない」というご相談をよくいただきます。

どうして子どもは、親との約束を守らないのでしょう?

 

よくある「約束を守る子どもになる方法」の欠点と、話し合う親と子になる大切なことを書いています。

 

子どもが約束を守らないとき

親さんからよくいただくご相談のひとつが、「子どもが○○と言ったのに○○しない」「子どもと○○と決めたのに○○しない」といったもの。

具体的な内容はさまざまですが、親であるわたしと(あるいは家族として)の約束を、子どもが守らない、というんですね。

たとえば…

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  • 「勉強がんばる」と言ってがんばらず、今度のテストなどで結果が出ていない
  •  宿題終わってから友だちと遊ぶことになっているのに、夜になってから宿題している
  •  お世話をするという約束で犬や鳥を迎えたのに、ぜんぜんしない
  •  18時になったらゲームをやめる約束なのに「もうちょっと」と言ってやめない
  •  兄弟姉妹と仲良くすると約束したのにけんかばかりする
  •  明日は学校に行くと行ったのに行かない
  •  昼夜逆転をなおすといったのに朝起きてこない
  •  ごはんのときはスマホやテレビを見ないと約束したのに食べながら見ている
  •  お風呂洗い係を担当することになったのにやらない
  •  今日はなにも買わないという約束でスーパーに行ったのにあれ欲しいこれ欲しいとだだをこねる

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などなど。
少し単語を変えてみれば、多くの方に思い当たる出来事があるんじゃないでしょうか。

 

よくある「約束を守る子どもになる方法」とその欠点

「約束を守らない子ども」に対して提示される解決方法は、ひとつではありません。

貼り紙をしてみる、褒美や罰を与える、その他いろいろな方法が飛び交いますが、たいていの結論は「よくよく説明をしてあげましょう」「話し合いましょう」というものです。

 

子どもは、なぜその約束が大事なのかを理解しきれていないから、子どもにもわかるように、それはあなた自身のためなんだよ、と伝えましょう。

そして 子どもの意見も聞いてあげて (後述)率直に話し合って、約束を守れるように改善していきましょう。

と、そう言うんですね。

 

この方法は間違いではありません。でも、この方法で解決することも、ほとんどありません。

 

親の対応から子どもが学ぶこと

子どもは単純な機械ではないし、未成熟な存在でもありません。

だからものごとを感じ取るときにも、「方法」ではなく、その奥にある感情や動機、下心、価値観……さまざまなものを見通して、親の人間性そのものを感じとっています

 

だから、親がどんなにやさしく、子どもを尊重しているふうを装って言ってみても、やってみても、それはソフトな押しつけです。

自分の願望、理想像に導くための策であり、子ども自身の意思や意見や考え、価値観、好みを無視するものです。

 

「意見を聞いて “ あげる ” 」という言葉そのものが、上に立っている(と思い込んでいる)ひとの思考ですよね。

子どもは、「親の意見を聞いて “あげる” 」なんて言わないし、もしそう言えば、きっと親はあざ笑ったり、怒り出したりするでしょう。

 

約束は当事者どうしで交わすもの

そもそも、約束は当事者どうしの間で交わすものですよね。その約束を守らないときに起こる問題は、どちらにとっても「自分(たち)のこと」であるはずです。

 

たとえば待ち合わせの時間なら、お互いの都合で時間を決め、その時間に間に合おうとします。そうしたいからだし、間に合わないと起こる問題を承知していますよね。

こども同士の約束だって、こどもたちは守ろうとします。それは、守りたいから

 

家事の担当だって、自分も親も対等にこの家の一員だという意識があって、この家で暮らすために必要な仕事を、一員だからこそ分担するんだなという(無自覚に近い)認識があることが大前提です。

この前提があれば、やらなければならない理由も、やらなかったときの影響も、子どもは自分のこととして感じます。

もちろん、うっかり忘れることはあるかもしれないけれど、忘れないようにする方法をみんなで考えることだって、苦ではありません。

 

でも、子どもにとっては、「約束」を守らずにゲームをやったり、担当になったはずの家事をやらなくても、とくに問題は起こりません。唯一あるのは、親に怒られたり罰を受けたりする、ということ。

ゲームをやること自体、家事をしないこと自体から、なにか困った影響を受けることは、基本的にありません。

子どもは問題の当事者ではないからです。

 

だって、(ゲームをしたいと思っている)子どもは、宿題や勉強よりもゲームがやりたいですよね。

よく「話し合ってゲームは1日1時間になった」といった声があるけれど、本来なら、ゲームがやりたい子どもは、集中力が切れるまで、飽きるまで、寝落ちするまで、何時間だってゲームをやりたいはずです。

「制限しないための話し合い」なら進んで参加するかもしれないけど、「制限時間」なんて決めたくないのが本音でしょう。

でも、親は子どもと話し合って、みんなで決めました、という。子どもはわたしと約束した、一緒にルールを決めた、と、勝手に結論づけてしまいます。

 

わたしたちは話し合いを知らないまま大きくなった

わたしたちは簡単に「話し合った」「話し合おう」というけれど、本来の話し合いをした経験のある大人、こどもは、ほとんどいません。

たいていは形式的なもので、話し合うひとたちのうち、権力を持つ側(一般的な家庭なら親)の理想へ誘導しているだけです。

それは、命令とほとんど変わりません。むしろ「あなたも同意した」ということにしてしまうぶん、たちの悪いものかもしれません。

 

これまでに「まったく納得していないけど表向きは同意した」という経験が、誰にもきっとたくさんありますよね。上司や取引先、義理の父母、パートナーとの間で、などなど大人になっても重ねてしまう機会の多いことです。

仕事なら、損得で折り合いをつけられることもあります。でも、親と子の関係に損得を持ちこみたくない、とわたしたちは考えています。

話し合いに参加した誰もが、言い聞かせられることなく、折れることなく、命令に従うのでもなく、心底納得して頷ける方法を見つけるのが、家庭に必要な話し合いだと思うんです。

 

子どもは「怒られない方法」を選んでいるだけ

「子どもの意見を聞いている」といっても、それまでに築かれた親子関係が、ほんとうに自分の気持ちをきちんと話せる、聴ける、聴いてもらえる関係であることは稀です。

 

子どもは幼いうちから、親に対して、意見を言っても怒られたり、結局のところ話を聞かなかったりする、という経験をたくさんしてきています。

だから、怒りっぽかったり、めんどくさかったり、不機嫌だったりする親を黙らせ、ハイハイと受け入れたふりをする術を、身につけてしまう。

 

親が真摯に話を聴き、すなおに話し、お互いの気持ちや都合、意見を重ねて、ともに方法を考え出していくようなら、そもそも「子どもが約束を守らない」なんて問題は起こりませんよね。

結局のところ、子どもは「怒られないための方法」を選んでいるだけです。

せっかく親と子がひとつ屋根の下で暮らせているのに、こんなに悲しいことはありません。

 

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ちがう人どうしが縁あって、ひとつ屋根の下で暮らす。

家族は共同体だから、解決したい事柄が起きて、意見が異なったときには、「話し合ったつもり」ではなく、「話し合い」をしましょう。

 

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大切なひとを大切にするということ

子どもは、親だけから影響を受けるわけではありません。けれど、親から受ける影響はとてもとても大きいものです。

親と子の関係に関することなら、なおさら。

だから、子どもに約束を守ってほしいなら、親はまず、徹底して約束を守りましょう。徹底です。

 

親は、自分がした約束すら覚えていないことがあります。あるいは、約束したという意識さえないかも。

どんなにささいに思えることでも、約束を破られる経験はほんとうにつらいし、少しずつ心を遠ざけていってしまうものです。遠ざかることで、求めないひとになることもあれば、過剰に求めるひとになることもあります。

そうでなくても、このひとに言われれば納得できる、このひととの約束は守りたい、と思える関係は、うれしいものですよね。

 

親がしたい「約束」のほとんどは、子どもにとっては他人ごとです。

親が、親の都合で、子どもになにかしらの言動を要求しているんです。このとき必要なのは「ルール」や「約束」なんかではありません。

「正論」や「しつけ」、「教育」ではなく、ここにある事実としての事情と、感情と、影響をすなおに話しましょう。子どもにすなおな気持ちで聴いてもらえるように、話しましょう。

 

ひとりとひとり、敬意をもって、大切なひとを大切にするところへ立ち戻って、いっしょに家庭をつくっていこう。

 

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